牡丹がちょっと好きになる話 【中国史上唯一の女帝に勝った牡丹】
唐時代の中国で、「花の王」と称される牡丹は春の象徴でした。
特に女帝 武則天は牡丹の美しさに魅了され、その花を一年中楽しみたいと思いました。
武則天は家来に、「宮廷の庭の花は真冬でも咲かせよ」と命じましたが、牡丹だけは真冬には咲きませんでした。
これに大変激怒した武則天は、都のあった長安から洛陽にかけての牡丹を全て抜き取り焼き払うようにと厳命しました。
しかし、牡丹はその厳しい命令を乗り越え、次の春には前年よりもさらに美しく、壮大に花を咲かせました。
牡丹が見せた姿は自然がいかに不屈であるかを示す証となりました。それを目の当たりにした武則天も牡丹の自然な美には逆らえず、最終的にはその命令を撤回しました。